1 不当労働行為救済申立書原文

                                2012年4月27日

 大阪府労働委員会会長 殿

申立人 大阪市北区東天満1丁目10番12号

新日本天満ビル4階 401号室

管理職ユニオン・関西

執行委員長 北村 庄司

         不当労働行為救済申立書

 労働組合法第7条第1号及び2号違反について労働委員会規則第32条により次のとおり申し立てます。

 1 被申立人

所 在 地 大阪市北区芝田一丁目1番4号

名   称 阪急阪神ビルマネジメント株式会社

代 表 者 代表取締役 石束 勇

2 請求する救済の内容

(1) 被申立人会社(以下、会社という)は、申立人(以下、組合という)組合員村田とおる氏(以下、当該という)に対し、システム担当打合せを再開し、システム担当課題一覧の情報を開示せよ。同時に、当該がシステム担当部署に移動してからアクセスが禁じられている「課題一覧」及びその上位フォルダである「システム担当」フォルダへのアクセスを許可し、システム担当部署(現在は事務システム管理室と呼ぶ)の他の課員と同じように業務を遂行する上で必要なパスワードを当該に渡せ、加えて組合への加入後及び天満労働基準監督署への内部通報を行った後にシステム担当部署へ移動された、2009年度から2011年度までの3年間の評価査定結果がC又はDの場合、職務遂行上差別的な状況に置かれていた下での評価であったとして、これを平均評価段階のBへ戻せ、それと同時に給与等に差額が生じている場合それを補填し支払え、との命令をもとめる。

(2) 会社は、第4回団体交渉事前質問状の内容(甲21)、質問1~5に対して誠実に団体交渉に応じよ、との命令をもとめる。

3    不当労働行為を構成する具体的事実

(1) 当事者

申立人組合

結成年月日 1997年5月24日

組合員数  260名

 

被申立人

2007年10月に設立。

従業員数約1000人の株式会社であり、その株式につき、半数を阪急電鉄株式会社が、残りの半数を阪神電気鉄道株式会社が有している(甲1)会社で、ビルマネジメントに関する業務全般を業としている。

(2)   本件不当労働行為に至る経過(背景)

項目2 請求する救済の内容の(1)について

「システム担当」フォルダへのアクセス許可要求については、2011年11月4日に大阪地方裁判所民事部への損害賠償訴訟の内容と関連した部分が存在する、同時に、経緯や具体的事実についても添付の証拠書類とともに明示されているので訴状を以下のとおり整理する。「訴状」(甲12)

1 当該の会社入社後の経歴

2000年、阪神エンジニアリング株式会社に入社した。入社の際、当時の専務取締役である郡康次氏から、当該は、同社のコンピュータ関連の職務に就くよう求められ、以後、CATV事業化のライン課長としてインターネット通信関連サービスを立ち上げる、総務部で基幹システム再構築を担当する、等の業務に従事してきた。当該は、2002年には、XMLマスターの資格を取得している(甲2)。

同社は、2007年10月、阪急ファシリティーズに吸収合併され、同月より当該は、調査役として会社人事総務部に配属された(以上につき、甲3)。

2 当該の労働組合加入

2007年10月の吸収合併後、阪急ファシリティ―ズ社が阪神エンジニアリング社を吸収したという事情もあり、会社では阪神系の社員は冷遇されるようになった。このことも手伝って、当該は、業務評価を理由として降格された。そこで、2009年1月、訴外管理職ユニオン・関西に加入し、降格の撤回等を求めて団体交渉を申し入れ(甲4および甲18)、団体交渉が開催されたが、降格が撤回されることはなかった。(甲19)

3 労基署への通告と是正指導

会社では、振替休日は3か月以内に消化しなければ消滅するという扱いがされていたところ、会社従業員には、この期間内に振替休日を取得することができず、振替休日がゼロになってしまう者が多数存在した。このような従業員は、当然のことながら、有給休暇の消化もできないという労働状況であった。

2009年3月、当該は、このような実態を天満労働基準監督署に通告した。通告の際、当該は、違反者である会社に対し、通報者である当該の実名を知らせて良いと述べた。

同年4月、天満労働基準監督署から当該に対し、会社に是正指導を行ったとの通知があった。

4 当該に対するパワハラ(違法な差別的取扱い)

⑴ 当該は、2009年4月、会社人事総務部・システム担当(現在は、「システム担当」ではなく、「事務システム管理室」と名称を変えている。以下、これらをまとめて「システム管理室」という。甲5組織図6頁参照)に配転された。システム管理室は、2011年1月時点において、室長の自己愛的次長氏(以下、「自己愛的室長」という。)の他、正社員の藤◯氏、当該、ヒラメ執行役員、昆◯氏、新◯氏、濱◯氏の他、契約社員の岡◯氏の7人の社員にて構成されている。

⑵ 2009年10月に配布された、「HHBM人事部内部担当者のお知らせ」(甲6)によれば、当該の担当業務は、①PC等の購入に関する事項②PC等の障害に関する事項③情報セキュリティに関する事項④メインホームページに関する事項である。

しかし、実際には、当該に割り当てられた上記①ないし④の仕事は、全て短時間で終了するような内容である。そのため、他の社員の予定表がほぼ毎日埋まっているのに対し、当該の予定表は、ほとんど白紙の状態である(別紙1は甲12に添付)。当該は、毎日出勤して机の前に座りながら、やるべき仕事があるのは勤務時間8時間中、1、2時間程度という状態に置かれたまま放置されている(別紙2は甲12に添付)。

⑶ さらに、当該は、会社のネットワーク上に保管されている「03システム担当」の共有フォルダにアクセスするためのIDとパスワードを教えてもらうことができず、業務上必要な情報から遮断されてきた(甲7)。

当該は、システム管理室に配転されて以降、必要なIDとパスワードを教えてもらうよう、自己愛的室長に何度も申入れたが、聞いてもらえなかった。そこで、当該は、2009年8月12日には、人事総務部に対し正式に文書でユーザー登録等申請書を提出したが、申請は否認された(甲8)。

⑷ システム管理室では、日常的に、他の部署の社員から、PCの事故・不具合がおこった際にかかってくるヘルプコールの応対をする必要がある。不具合が発生する頻度が高いのは、パスワードの入力ミスによりPCを立ち上げられなくなる「パスワードロック」と呼ばれる状態であるところ、当該は、システム管理室の中で唯一、「パスワードロック解除」の作業を禁じられており、これに対応することができない。

このため、当該がシステム管理室にかかってきた電話(前記のとおり、システム管理室にかかってくる電話の要件は、パスワードロックを解除してほしいというものが多い。)をとっても、パスワードロック解除の作業ができないので、他のシステム管理室の社員に対してその作業を取り次ぐことしかできず、他部署の社員からの信頼を得ることもできない状態に置かれている。

⑸ 2010年10月には、当該は、自己愛的室長に対し、会議室で、「いい加減にして欲しい。何故パスワードを渡さないのか。」と問いただした。これに対し、自己愛的室長は、「だって村田さんて、通報するって言う人じゃないですか。だから、ねえ、渡せないんですよ。」と答えた。

⑹ 2011年4月に通知された当該に対する人事評価は、5段階評価のうち最低の「D」評価であった(甲9)。

5 当該に対する差別的取扱い

以上のように、当該は、会社から、2009年4月の配転から本件訴訟提起に至る2年6か月もの長期にわたり、①業務上必要なIDやパスワードを与えず情報から遮断する、②仕事をほとんど与えない、③人事考課を最低の「D」とする、等の差別的な取扱いを受け続けてきた。

6 組合と会社との間で開催された団体交渉の経過

2009年 2月  第一回団体交渉開催

2009年10月 第二回団体交渉開催

2011年 3月 第三回団体交渉開催

2011年 7月 第四回団体交渉開催拒否

7 唯一の情報伝達の場であったシステム担当打合せが開かれなくなった

従来およそ月1度、課題一覧の開示と共に開催されていたシステム担当打合せが、2011年11月4日に大阪地方裁判所民事部への損害賠償訴訟の提訴、同年12月9日に抗議集会を持った後開かれなくなり、情報伝達も行われなくなった。

8 当該の人格権を侵害した行為

このような差別的取扱いは、当該が管理職ユニオンに加入し、労働基準監督署に通告した直後に開始されたものであること、2010年10月の自己愛的室長が「だって村田さんて、通報するって言う人じゃないですか。だから、ねえ、渡せないんですよ。」と述べていること等から、労働組合法7条1号本文、及び労働基準法104条2項に違反する違法な「不利益な取扱い」であることは明らかである。

また、システムエンジニアである当該に対し、システム操作に必要なIDやパスワードを与えないことは、飼い殺しの常態で放置するに等しい。システムエンジニアとしては、常にシステムに関わる情報を更新しなければその技量を維持、向上させることができないにもかかわらず、当該にまともにシステムエンジニアとしての仕事をさせず、当該のシステムエンジニアとしての技量を維持・向上することを妨げたものであり、この点からも、当該に対する差別的取扱いは、当該の人格権を著しく侵害した違法な行為であることは明らかである。

9 当該以外は契約社員1名と残りは電鉄出向者等と仕事をする職場環境の図

本図に描かれた状況は2009年4月にシステム担当に異動となってから状況に大きな変化は見られない。また、これらのメンバーの中で当該のみが「システム担当」フォルダに入れないし、パソコン等の環境を整備するためのパスワードを渡されていないことを知っているので、システム全般の技術的な話題は一切交わされない。技術者にとっては閉ざされた状況である。(甲24)

(3)   本件不当労働行為にかかる具体的事実

① 項目2 請求する救済の内容の(1)について、「システム担当」フォルダへのアクセス許可要求については、2011年11月4日に大阪地方裁判所民事部への損害賠償訴訟の内容と関連した部分が存在する、同時に、経緯や具体的事実についても添付の証拠書類とともに明示されているので証拠書類として提出。「訴状」(甲12)

さらに、本訴訟の提訴後、2011年 7月の第四回団体交渉開催拒否に対する抗議集会が2011年12月9日に会社の本社ビル前で開かれた。

上記事実に関連し、システム担当打合せが2011年10月7日を最後に開催されなくなった。(甲13)

システム担当打合せで開示される「課題一覧」フォルダの構成に関する情報(甲14)を示し、2011年10月7日用に作成された課題一覧(甲15)を示す。

また、申立人をその所属する部署のフォルダである「システム担当」フォルダにアクセスを禁じることが不自然と考えられる例を「ユーザー登録等 申請書」(甲16)にて示し、それら申請書を管理する「依頼書管理票」(甲17)の一例を示す。

なお、「ユーザー登録等 申請書」(甲16、承認されている)に記載された内容に関して、(甲8、否認されている)の内容と対比すると申立人への扱いが不合理であることを示している。

② 項目2 請求する救済の内容の(2)について、時系列で証拠を提出する。

2009年 2月  第一回団体交渉 団体交渉のための事前質問状(甲第18号証)

2009年10月 第二回団体交渉 会社側 回答書(甲第19号証)

2011年 3月 第三回団体交渉 団体交渉申し入れ書(甲第20号証)

2011年 7月 第四回団体交渉 団体交渉の再度の申入れとそのための事前質問状(甲21)及び、団体交渉の再度の申入れとそのための事前質問状についての回答書(甲22)

第四回団体交渉に当たる、「団体交渉の再度の申入れとそのための事前質問状(甲21)」の中のそれぞれの質問1~5について、かねてより会社へは親会社である阪急電鉄、阪神電鉄、グループ不動産コアとしての関連会社である阪急不動産、阪神不動産等の組織からの出向者が管理職に就く割合が異様に高く、その実像を把握すべく資料の開示を求めたものであり、そもそも過度な出向者の受け入れは会社法での監査役の善管注意義務違反の疑念を抱かせる部分であり、組合としても見過ごすことのできない視点である、それらに関しての情報の開示を求めたのは正当な要求と考える。

また、これら出向者の管理職占有率の高さは(甲5)に出自組織で色分けされ現れている。同時に、「訴状」(甲12)の主要な論点である当該に対する評価がD(上からS,A,B,C,Dの5段階評価)となる仕組み、(甲23)すなわち仕事を与えない、与えてたとしても依頼書管理等の単純作業または低レベルの業務が多く(甲17)、パスワードが必要なシステム課員として当然の業務(PC故障対応、ネットワークやサーバーの管理等)を遂行することができず、他部署の社員からの評価が下がることにも関係している。これらの例は会社の人事制度とも深く関連し、とくに出向者の出向条件は株主である親会社のなすがままの情況、すなわち一般に管理職は組合員ではないこともあり、その管理職の部下となる場合がほとんどの子会社プロパー社員(組合員である場合がほとんどであるが)の労働環境及び労働条件の向上を目指し、第四回団体交渉の開催を申し入れたが2011年7月15日に拒否された。(甲22)

以上

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です